タクシン元首相は9日、コーンケーン県内で開催された反独裁民主主義同盟の集会の際に行われた電話演説の中で、自分が首相であれば国外からの借款や現金の配布を行わず、就労機会の創成や生活の糧を得る手段の提供及び小規模事業を展開する為の資金の提供等による自力再生に焦点を置いた経済政策を推進すると語った。
また、タクシン元首相は、タイ国内に存在する二重基準が赤服軍団を生み出した原因であると語り公正な社会の実現を訴えたが、自らが支持・不支持を層・地区別に区別して恣意的且つ差別的な政策を推進しタイ国内に新たな二重基準をもたらしてきた事に触れることは一切無かった。
自らを民主主義のチャンピオンと自称するタクシン元首相は、2005年に行われた総選挙の際に「タイ・ラック・タイ党を支持してくれた県に対しては特別な計らいをする。隣の地区にある学校がぼろいままなのは、その地域の住民がタイ・ラック・タイ党を支持しなかったからである。支持してくれれば、この地域の学校の様に立派に改修することができる。」とまで発言していた。
また、タクシン元首相は、民主主義市民連合による政党結党構想は、議会外での政治活動をもってしても政治的なポジションを得る事が出来なかった連合が、首相になりたい70歳過ぎの人物(党首候補とされている元首相を政界に引き入れた事でも知られるヂャムローン・シームゥアン少将)を首相に据える為に議会内で政治活動を行う事を意図したものであると皮肉った。
9日開かれた集会には、コーンケーン県だけでなくウドンターニー県やナコン・ラーチャシーマー県等の近県の赤服軍団関係者も合流したが、予想外に参加者の集まりが悪く、ネーションチャンネルによると、タクシン元首相が電話演説を行った時点では僅かに1,500人前後しか会場に残っていなかったという。
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