27日午後、ナタウット政府報道官は、同日行われている閣議で軍のトップの解任や異動に関する協議は一切行われる予定が無いとした上で、国民に対してクーデター発生に対する懸念を抱かないよう呼びかけると共に軍に対して部隊の移動等を行わないよう要請した。
この発言に先立ち、バンコクを中心にクーデター発生の噂が広がっており、教育省を始めとする一部の省庁が職員を早退させたり、与党所属議員がクーデターの動きが確認され次第民主主義を守り抜くために議員1人あたり2万人を動員して首都圏内の主要施設の防御に入ると宣言したり、ある議員はクーデターに備えピストルを携行して議会に来たと発言したり、反独裁民主主義同盟がクーデターの口実にされる恐れがあるとして活動の一時中止を宣言するなどの動きが見られていた。
更に同日午前にはチャイ下院議長が「クーデターをやってしまえ。そうすれば全てが解決して嬉しい」と発言し物議を醸していた。
ナタウット報道官によると、この様な状況を懸念した首相が閣議中に同報道官に対してクーデターの噂を取り消すよう指示したという。
また、サンスゥン陸軍報道官は、バンコク内で目撃された運搬中の戦車は教練用に使用された後に本隊に戻るものでクーデターとは無関係であるとした上で、国民に対していらぬ心配をしないよう訴えた。
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