25日夕方から開かれた民主主義市民連合の政府主導の憲法改正に反対する為のセミナーは、皮肉にも親タクシン派の非民主主義的な暴力指向を際だたせる結果になった。
セミナー開始前からセミナーの会場となったタンマサート大学大講堂と道路を隔てたサナームルワン側の歩道上に陣取った、旧反独裁民主主義同盟関係団体を始めとした親タクシン派、憲法改正支持派等の反連合派が、セミナー参加者に向け石やペットボトルを投げ嫌がらせを行うと共に、セミナー会場に火を放ったり、警察車両を引っ繰り返すと脅かし、一時当局側と緊張状態になるなど、強大な権力を背景に力で言論を封殺してきたタクシンを地でいくような抗議活動を展開した。
また、反連合派がセミナー会場への強行突破を図ろうとした際に、講堂の正門に向け糞尿弾が投げ込まれたり、連合関係者に向け石を投げたラームカムヘーン大学政治学科の学生(27)が逮捕された他、反連合派が投げたガラス瓶が顔を直撃したch7のカメラマンが負傷を負った。
反連合派の大半を占めると見られるタクシン支持派による、暴力が伴う抗議活動は、タクシン政権時代にも頻繁に発生しており、2006年4月2日の総選挙をボイコットした民主党がチェンマイで開いた演説会の際には、タイ・ラック・タイ党の票の取りまとめ役が主催するコミュニティーラジオ局の放送で動員された住民等が、民主党幹部に石やペットボトルを投げつけ、更に演説会会場への乱入を図り、演説会を中止に追い込んだり、連合がウドンターニーで開催したセミナーの際には、タイ・ラック・タイ党所属下院議員に煽動された住民等が会場の周りを封鎖し、連合幹部に向け石や靴等を投げつけ一時幹部やセミナー参加者を会場内に軟禁状態に置くような場面も見られていた。
連合のセミナー自体は平穏裏に終了したが、会場から出るセミナー参加者に危害を加えようとする反連合派と当局や参加者との間で小競り合いが発生した。
しかし、その反連合派が支持している政府のマウスピースと化しているNBT(ch11)の番組に登場した論説員は、連合のセミナーは、セミナーとは呼べない、流血の事態を招くための非建設的な代物であると指摘し、連合側を非難した。
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