サマック首相に対して辞意を表明していたと伝えられていたチャイヤー公共保険大臣は10日、辞意表明を否定した上で、あらためて憲法裁判所の判断が下るまで公共保険大臣としての職務を継続させる意向である事を明らかにした。
同大臣は、今後はボランティア保健員と同様な立場で国民の為に無償で奉仕し、大臣報酬を始めとする職務によって得られる報酬は、全て医療サービスにより被害を受けた国民や医師を救済する為の基金に寄付する方針であると語った。
運輸副大臣を歴任した事でも知られるチャイヤー公共保健大臣は、バンコク隣県のナコンパトム県内に強大な影響力を持ち、時にナコンパトムのゴッドファーザーと称される事もある、政治家一族のサソムサップ家のメンバーで、サマック政権誕生後に現職に就任した背景に、タイを代表する灰色政治家の一人でもあるネーウィン・チットチョープ氏による強力な働きかけがあったとされている。
また、ナコンパトムの大物一族メンバーの出身であることを物語るように、国家汚職防止取締委員会が罷免を勧告する決定を下した直後から、県知事を始めとする県内の高級官僚や地元政治家、住民等が大挙して激励の為に同大臣のもとを訪れている。
参考
保健相が辞意を表明、後任には実兄か?タイの地元新聞を読む