伊藤忠商事(東京都港区)は21日、タイの大手複合企業チャロン・ポカパングループ(CPグループ、タイ・バンコク)との相互株式持ち合いを解消すると発表した。同社が保有するCPグループ中核企業CPポカパンの全株式を、2026年3月期中に譲渡する。戦略的業務提携は継続する。
同社によると、2021年6月11日付けで改訂施行されたコーポレートガバナンスコードによる持ち合い解消の指導を踏まえ、両者で協議を重ねて合意した。
伊藤忠は、保有するCPポカパンの株式を、チャロン・ポカパン・フーズの完全子会社CPFインベストメントに譲渡。同社の 2026 年3月期単体決算で、投資有価証券売却益など約1250億円の損益を計上する見込み。
CPグループは、伊藤忠の株式売却を進めており、2025年3月末時点での保有比率は0.461%。
両社は2014年7月、戦略的業務・資本提携契約を締結。伊藤忠は、「原料調達、商品供給、情報収集などの機能を活用・相互補完することで、取引や共同出資の相乗効果を実現してきた」と提携10年の成果を語った。
同社は、両グループ間の取引が食料分野を中心に全事業分野へと広がり、提携当初から5倍以上の年間約500億円まで大きく伸長するなど、資本提携における戦略的意義が達成されたとしている。