アイスペース(東京都中央区)は8日、タイ高等教育・科学・研究・イノベーション省の監督下にある地理情報・宇宙技術開発機関(GISTDA)と、衛星開発・衛星通信サービスを展開するmu Space and Advanced Technology(mu Space)の3社で、月面探査実現に向けた協業について覚書を締結したと発表した。
同社によると、タイ政府主導で策定された宇宙探査ミッションを実施するためのタイ国家プログラム「National Space Experiment and Exploration」の枠組み内で、月面探査実現に向けた研究開発と人材育成、宇宙技術の知見の共有などに関して協業を進める。
覚書は、11月7日から9日までバンコクで開かれたタイランド・スペース・ウィーク2024で発表。GISTDA長官のDr. Pakorn Apaphan氏、mu Space の最高経営責任者兼取締役のJames Yenbamroong氏、アイスペースのエグゼクティブ・フェローの斉木敦史氏が立ち会って署名した。
アイスペースの斉木敦史氏は「タイの政府機関とmu Spaceと共に、新たな月面探査プログラム実現に向けた覚書を締結することができ、大変嬉しく思う」とコメント。
GISTDA長官のDr. Pakorn Apaphan氏は「このパートナーシップは、日本を代表する宇宙探査技術とタイの活発な宇宙技術スタートアップを結びつける意義あるものだ。宇宙探査においてはまだ初期段階にあるタイだが、今回の連携をきっかけに大きく前進する」と述べた。
mu SpaceのYenbamroong氏は、「タイの国家月面探査プログラム実現に向けたコラボレーションに、非常に興奮している。この締結は、タイと日本の宇宙分野における国際的な官民連携の先例となるだろう」と語った。