トヨタ自動車の豊田章男会長は8日、グループ会社のダイハツ工業がタイなどで開発・製造している海外市場向け車両4車種の側面衝突試験の認証手続きで不正行為が確認されたとして、タイで記者会見を開き謝罪した。
ダイハツ工業は4月28日、側面衝突試験で認証する車両の前席ドア内張り部品の内部に不正な加工を行い、法規に定められた側面衝突試験の手順・方法に違反があったことを確認したと発表した。内部通報を受け調査を行ったという。
対象車種は計8万8123台。タイなどで開発・製造するトヨタブランドの「ヤリスエイティブ」など4車種で、同社は29日から出荷を停止している。今後、審査機関・認証当局の立ち合いのもと再試験などを行い、側面衝突性能が法規に適合していることを確認した後に出荷を再開するという。
トヨタ自動車の前田昌彦取締役は、「認証手続きに問題があったことを真摯に受け止める」とした上で、開発過程に問題はなかったとした。豊田会長は、「タイの消費者や販売店などに多大なご迷惑・ご心配をおかけしている」と謝罪。タイの安全規制をすべて満たし、安心して利用してもらえるよう、改善と再発防止に取り組むと述べた。