ホンダは、完成車組立のメインラインに流動型のセル生産方式を組み込んだ「ARC(アーク)ライン」を開発し、この組立ラインをタイのホンダ・オート・モービル・タイランド(HATC)のプラーチーンブリー工場に導入したと発表した。四輪完成車の量産では世界初となるもので、既存ラインに比べ作業効率が約10%向上している。
ホンダによると、ARCラインは、これまで四輪車の生産現場で広く採用されてきたコンベア上を流動する車体に組立作業者が単一工程で部品を組み付けていく「ライン生産方式」ではなく、作業者が広い範囲の工程を受け持ち、複数部品の組み付けを行う「セル生産方式」の生産ユニットをメインラインに組み込んで流動させた世界初となる革新的でユニークな組立ラインだそう。
これにより1台の車体と1台分の部品を積載した搬送ユニット「ARCユニット」に4人の組立作業者が乗り込み、車体と一緒に移動しながら組み付け作業を行うことで、従来の製造工程で発生していた「流れてくる車体の仕様に合わせて必要な部品を選び、歩きながら組み付ける」といった、本来の組み付け作業以外の付帯動作を低減。工程ロスの削減により、生産効率の大幅な向上を実現したそうだ。