子供の代わりに犬や猫を育てる「ペットペアレント」が、タイや日本、欧州、インドなど世界各国で人気が高まっている。国際市場調査会社ユーロモニター・インターナショナルのデータによると、世界のペット産業は年4%成長し、2030年まで続くと予測している。
クルンテープ・トゥラキットの報道によると、トンロー動物病院(バンコク)の最高経営責任者で獣医のクリティカ氏は、アジア市場では中国が最も急速に成長し、市場規模も最大だと説明。子供を望まない若者が多いという。
一方でタイでは7~8%以上の高い成長率を示している。タイ国内で飼育されている犬・猫は2100万匹(犬1400万匹、猫700万匹)。市場規模は約710億バーツで、来年には800億バーツに達する予測。
クリティカ氏は、現在の犬・猫向けフードや治療技術が人間向けと変わらない水準に高まっていると指摘。以前の犬・猫の寿命は約8歳だったが、現在の平均寿命は約15歳で、18~20歳まで健康に生き延びる可能性もあるという。
ペットの長寿のために気を配る飼い主は、最善の環境を選ぶ。業界もこうしたライフスタイルの変化への適応を迫られており、多くのマンションが「ペットフレンドリー」を謳い、ペットと入場可能な飲食店や商業施設も出現している。
またクリティカ氏は、犬・猫の飼育費を比較し、犬の方が高額になる傾向があると報告。犬は猫に比べ、入浴回数や食事量が多く、治療費も高額になっている。多くの家庭では飼育費用を考慮し、猫の飼育数が増加。以前は犬80%、猫20%だったが、最近では犬65~70%、猫30~35%に変化しているという。