タイ東北部サケーオ県コークスーン群のカンボジア国境にあるバーンノーンチャーン集落にタイ陸軍が有刺鉄線フェンスを設置したため、大勢のカンボジア人がフェンス付近に集まり、タイ軍に罵声を浴びせる騒ぎがあった。陸軍は同地がタイ領内だと主張。カンボジア当局と住民は反論している。
プラチャーチャート・トゥラキットなどの報道によると、タイ陸軍はこのほど、カンボジア側からの苦情を受け、集落が完全にタイ領内にあると発表。集落の境界標識の位置はタイ領内にあるが、カンボジアが境界標識が自国の領土内に移動したと考えているため、衝突が起こっていると説明した。
タイ陸軍によると、カンボジア内戦が激化した1970年代、タイ政府は善意でカンボジア難民に集落への一時的な定住を許可。難民らは内戦終結後もカンボジアに帰国せず、集落に定住。カンボジア政府はこれを利用し、集落ある地域を自国領土だと主張しているという。
またタイ陸軍は、有刺鉄線フェンスの設置について、国境画定が目的ではなく、タイ側への侵入や地雷敷設を防止し、タイ兵士の安全強化が目的だと説明した。
プームタム・ウェーチャヤチャイ首相代行は、カンボジア人を集落から立ち退かせる計画があるかとの質問に対し、「今のところ予定はない」と話した。集落の問題は、9月7日~8日に開催する次回の一般国境委員会で取り上げる予定だという。
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