タイ国政府観光庁(TAT)元総裁のユタサック・スパーソン氏は、タイを訪れる外国人旅行者が今年1~4月に急減しており、早急に対処する必要があると述べている。
クルンテープ・トゥラキットの報道によると、最大の要因は中国、香港、韓国市場の減少。中国は前年同期比31%減、香港は同20.8%減、韓国は同14.9%減少している。
コロナ渦前の2019年、タイを訪れた中国人旅行者数は1100万人(全体の27%)で、月平均90万人、1日平均3万人が入国していた。2025年1月~4月は、1日平均約1万3000人まで減少している。
ユタサック氏は、5月に入り、訪タイ中国人旅行者の1日平均が1万人以下まで急落していると指摘。5月4日は7770人、5日7288人、6日8628人、11日8612人、12日9059人、13日8379人だった。全体の訪タイ旅行者数は1日平均6万人まで減少しているという。
さらにMICE(国際会議、国際展示会)部門も、2025年第1四半期は減少した。
ユタサック氏は、タイの観光業の急落を止めるため、より質の高い旅行者の誘致が必要だと述べた。安全性が最大の懸念事項となっているため、国のイメージの再構築だけでなく、旅行者の信頼回復に向けて接客業の向上が必要だと提言した。
また、衛生基準や犯罪、ぼったくり対策、交通機関も多くの旅行者にとって満足できるものではないと指摘した。
ユタサック氏は、高額消費者向けに、健康とレジャーを組み合わせた観光商品の強化を訴え。「タイ観光は需要主導型から、高品質な観光商品を通じた供給主導型へ転換すべき時だ」と語った。