コールセンター犯罪対策として、タイがミャンマー国境の町への電力供給を停止した5日、ミャンマーのシャン州タチレクの住民は、タイへ渡ってガソリンや発電機の購入に奔走しているという。一方、犯罪組織は発電機を所持しているため、影響は限定的との見方もある。
カオソッドなどの報道によると、国境を接するタイ北部チェンライ県メーサーイ郡では、5日朝から渡航許可を得ているミャンマー人が入国し、ガソリンや発電機を購入した。ある店舗では午前中だけで、5000~5万バーツの発電機10台以上が売れたという。
一方、タチレクのガソリンスタンドでは、燃料を購入する長蛇の列ができた。1キロメートルに渡る渋滞が発生し、給油のために1時間も待った住民も。自動車だけでなく、発電機用の燃料としての購入する人も多いという。
タイ政府は5日、ミャンマーのコールセンター詐欺がタイ国民の安全保障上の脅威だとして、詐欺集団の拠点があるミャンマー5地域への送電を停止。情報筋や地元住民によると、タチレクの約7500世帯、65寺院、学校45校、5病院が影響を受けたという。一方、犯罪組織は発電機を所持しており、影響は限定的になる可能性もある。
5地域は中国人犯罪集団やコールセンター詐欺の拠点。大型ビルやカジノ、娯楽施設などがあり、約7千人の中国人を雇用している。