タイ工業連盟(FTI)の18日発表によると、8月のタイ産業景況感指数(TISI、100以上で好感)は87.7で、前月比1.6ポイント低下した。家計債務の増加による国内需要の弱さと洪水被害がマイナス要因となった。
プラチャーチャート・トゥラキットの報道によると、FTIのクリエンクライ・ティエンヌクル会長は、金融機関の融資引き締めで国内需要が縮小し、1~7月の自動車販売が前年比24%減少したと説明。また各地で発生した洪水により、農業地帯が被害を受け、製造業や建設業の活動が鈍化したと述べた。
また輸出部門は引き続き、特に米国と欧州向けの船賃高騰がコストを圧迫していると説明。中国からの格安商品の流入や燃料費の上昇による原材料高で、国内商品の競争力が低下していると説明した。
またバーツが米ドルに対し、高値にあることも輸出に影響した。7月の1ドル34.92バーツから、8月は1ドル36.46バーツまで上昇している。
一方、新政権発足で政情不安が緩和し、投資家や企業の信頼感が回復したことや、前政権から引き継いだ景気刺激策などがプラス要因。
観光業も好調で、1~8月の外国人旅行者は前年比31%増の2356万7850人、観光収入は1兆1079憶8500万バーツに達した。
経営者の懸念要素は、世界経済67.5%、国内経済65.2%、原油価格61.3%、為替相場40.6%。懸念が緩和した要素は国内政治56%、融資金利45.8%だった。
3カ月後の景況感予測は、前月の95.2から93.9に低下。経営者の多くは、政府の全国最低賃金400バーツへの引き上げ政策を懸念。特に中小企業は運営コストが上昇する見込み。
タイ産業景況感は、FTI会員の46業種1330企業を対象に調査している。