福岡市は2024年10月9日(水)~25日(土)、タイの映画監督ブンソン・ナークプー氏によるタイ映画を福岡市総合図書館映像ホールで上映する。12日(土)には、ブンソン監督のトークショーも開催する。
タイ国政府観光庁によると、「タイ映画ニューウェーブ! ブンソン・ナークプーwith空族」と題し、「偉大なる貧しき人々」、「フォー・ステイションズ」、「ヴィレッジ・オブ・ホープ」、「ワンダリング」など全7作品(日本語字幕付き)を上映する。
12日(土)の「カンペーン」上映後(15:00-16:00予定)には、ブンソン監督とピヤチャット・ナークプー氏(プロデューサー)、映像製作集団である空族(くぞく)の富田克也氏(映画監督)、相澤虎之助氏(映画監督・脚本家)が登壇してトークショーを開催する。入場無料。
主催の福岡市総合図書館によると、ブンソン監督は2019年、アジアフォーカス・福岡国際映画祭で『カンペーン』(2018)を上映した際、福岡市総合図書館のアーカイブを見学。計7作品を寄贈したという。
同監督は1968年、タイ・スコータイの農村生まれ。1995年に短編映画を撮り始め、『Grandfather and Grandson』(1996)、『Going Home』(1997)などがバンコク映画祭で賞に輝く。長編映画では『フォー・ステイションズ』(2012)がドービルアジア映画祭審査委員賞、『ワンダリング』(2016)が 第1回アセアン-中国映画祭2017で審査員特別賞を受賞した。
映画観覧料は、大人600円、大学・高校生500円、中学・小学生400円。福岡市在住の65歳以上・「わたすクラブ」会員・障がい者と介護者1名は300円(要証明書・会員証原本提示)。
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[ブンソン・ナークプー監督上映作品]
・10/9(水)14:00 10/26(土)14:00
「偉大なる貧しき人々」
監督が生まれ育ったスコータイの農村を舞台に、家庭内の衝突、それぞれが抱えるやるせない思いが、村の自然と日々の生活風景の中で静かに哀愁とともに描かれる。故郷の農村を舞台とした三部作の第一作。
・10/13(日)11:00 10/23(水)14:00
「フォー・ステイションズ」
列車、駅、そして線路が、4つの場所で繰り広げられる人々の営みを結びつけ、様々な人間模様の悲哀が描かれる。監督の故郷の農村を舞台に、名もない人々の名もない物語が、静かに叙情豊かに表現されていく。
・10/10(木)14:00 10/20(日)11:00
「ヴィレッジ・オブ・ホープ」
若い兵士ソーンは除隊を前に休暇を取り故郷の村に帰ってくる。家には祖母や親戚たちが住んでいる。父親は借金の末破産して村にはいない。母は家を出ており、兄も行方不明。親戚たちもみな苦しい生活をしており、家に帰ってもソーンは孤独だった。タイトルとは裏腹の現実。ある家族を通して現代の村が抱える問題を描いた作品。
・10/14(月祝)14:00 10/18(金)14:00
「ワンダリング」
愛する息子を亡くし、妻に捨てられた男は、悲嘆に暮れ、酒浸りの日々を送っている。苦しみや孤独感を忘れようと目的なくさまよい歩く。そんな中、ある僧侶と出会ったことで、男は仏門に帰依することとなる。僧侶に導かれて出家し、奥深い山、そして深緑の森で、男は修行を始める。人の営みを超えた圧倒的な自然に囲まれながら、魂の救いと赦しを求めて苦しみ、そして祈る男の姿は、見る者の胸を打つ。
・10/13(日)14:00 10/19(土)17:00 10/24(木)14:00
「ソング・フロム・パッタルン」
タイ南部パッタルンの農村に暮らす18歳のフォンは歌手になる夢を抱いているが、恋人はバンコクに去ってしまう。失意の中で先輩のオーたちとバンドを結成し音楽活動を始める。彼らは、貧しい農村地域の若者たちの夢を実現するため地元のゴム農園でのコンサートを企画する。タイ南部の山間部で暮らす少数民族の生活など、歴史的背景も織り込まれながら、農村の風景や生活を軽快なカントリーソングとともに描き出した青春映画。
・10/11(金)14:00 10/19(土)14:00
「シーン・アンド・ライフ」
鳥のさえずりが聞こえる緑豊かな村で、様々な人生のワンシーンが連なり、人々の等身大の生活が静かに情感豊かに描かれる。村の風景、村人の悲喜こもごもの人生や生活が、繊細につづられる群像劇。監督の故郷の農村ワンピクンを舞台とした「偉大なる貧しき人々」、「ヴィレッジ・オブ・ホープ」と続く三部作の最終作。劇中に登場する、年老いた母の住む実家を訪れ料理する男はナークプー監督本人である。
・10/12(土)13:30 10/25(金)14:00
「カンペーン」
映画監督スープは、若いスタッフを連れてロケハンに出て、むかし過ごした場所に向かう。次回作は自分の過去の物語である。貧しい家庭の男子は、僧侶になることでしか未来を切り開くことはできなかった。監督は見習い僧だった少年時代を回想してゆく。ブンソン・ナークプー監督による映画作りについての映画であり、監督本人が、脚本・主演を兼ねている。アジアフォーカス・福岡国際映画祭2019上映作品。