在タイ日本大使館は13日、タイ駐在日系企業に対し、本社代表者を名乗る者から多額の送金を指示する不審電話が発生したとホームページで報告。今後も同様のケースが発生する可能性があるとして、注意を呼び掛けている。
同大使館によると、不審電話があったのは今月。電話の相手は日本本社の代表者を名乗り、「水面下で企業買収の交渉を弁護士とまさに今進めている」、「以前にも企業買収を行ったが、外部に漏れ破談に終わった」、「今回は収益性アップのため必ず買収を成功させなければならない」、「他のグループ会社数社にも出資を依頼しているが、短期的資金が少し足りない」など説明し、送金を指示したという。
不審電話は本社代表番号での入電で、代表者を名乗る者の声は本人と酷似していた。また代表者本人の出張スケジュールを把握し、応対した担当者にメールを求められると、代表者本人のメールアドレスからすぐにメールが送られてきたという。
担当者は送金手続きを開始したが、不安を感じて本社代表連絡先に確認したところ、代表者が送金の指示をした事実は無いことが判明した。すぐに送金の差し止め手配を行ったため、実害は無かった。
同大使館は、AIソフトによる偽音声で特定の人物になりすましたり、アプリを使用して実際の発信元とは違う番号を相手方に表示させることが技術的に可能と言われていると指摘。心当たりのない電話やメール、手紙を受け取った場合は、本社の関係部署等に確認するなど、詐欺の可能性を疑って対応するよう呼び掛けている。