タイ工業連盟(FTI)が13日発表した2月の産業景況感指数(TISI、100以上で好感)は、前月比0.6ポイント低下の90.0だった。内需と輸出の鈍化が要因。プラチャーチャート・トゥラキットが報じた。
家計負債や生活費への不安から個人消費が減少。中国や日本などの貿易相手国の経済状況が依然として停滞しているため、輸出も減速した。また紅海地域の紛争が長期化しており、欧州・中東との輸出入に影響が出ている。海外の安価な製品の流入による市場競争の激化にも直面している。
一方、観光業は回復が続く。中国やカザフスタン、インド、台湾からの旅行者に対するビザ免除措置や、国内消費を促す簡易電子レシート制度(1月1日~2月15日まで)、ディーゼル価格の30バーツ制限(1月1日~3月31日まで)も好材料となった。
3カ月後予測は、政府の観光促進政策が下支えとなり、前月の98.4から100.0に上昇した。2024年度予算が承認され、政府支出は第2四半期に増加する見込み。
中国経済の減速や、エルニーニョ現象による干ばつなどに引き続き注視が必要。FTIは政府に対し、観光促進など追加の経済刺激措置や、3月31日に終了するディーゼル価格制限の延長などを提言した。