日本政府は、タイ南部のワットバーントゥワット学校(ナコンシータマラート県パークパナン郡)向けに総額381万バーツを供与し、高床式2階建て校舎1棟の建設を支援した。同校はモンスーン期の度重なる浸水被害により、教育省から校舎の使用停止を通知されていた。
在タイ日本大使館の15日発表によると、支援は草の根・人間の安全保障無償資金協力によるもの。同校を支援する国際NGOワールドビジョン・タイランドを通じて行った。
14日にワットバーントゥワット学校で引渡式典があり、ソムポン・マークマニー副県知事やギッティポン・ローンデット郡長、ワールドビジョン・タイランドのアティノン・プンサンティヤ氏、在タイ日本国大使館の西岡達史次席公使ら関係者が出席した。
在タイ日本大使館によると、同校の児童・教員は約80人。タイ湾に流れ込むパークパナン川支流域の平野部に位置し、モンスーン期に度々、浸水被害を受けている。築30年を超える2階建て校舎2棟は、老朽化と海水による浸水の損傷が激しく、うち1棟は教育省の通知を受け使用を停止していた。
財源不足で新規校舎を整備できず、特別教室(図書室、科学室、音楽室、美術室)を一般教室の代わりにすることで対処。食堂も確保できず、児童・教員は隣接する寺院の敷地内や屋外で食事を取っていた。高床式の新規校舎整備により、浸水対策を強化。児童・教員の安全を確保し、十分な教育の提供が可能になるとしている。