在タイ日本大使館は21日、年末年始を前に、旅券や貴重品の紛失・盗難や、詐欺被害に注意するよう在留邦人や旅行者に呼び掛けた。年末年始の閉館日は、12月29日(金)から1月3日(水)まで。
同大使館によると、1~11月の旅券紛失・盗難相談件数は、昨年(103件)比約2.5倍の249件。そのうち盗難は67件となっている。
[在タイ日本大使館が公表した盗難事例]
・空港に到着し電車にてバンコク都内の駅まで向かう途中に、背負っていたリュックに入れていた旅券在中のポーチを抜き取られた。
・バンコク中心部のショッピングモールで開催されたイベントに参加していたところ、背負っていたリュックに入れていた旅券及び財布を抜き取られた。
・バンコク中心部のスーパー店内において買い物中に、肩に掛けていたトートバッグに入れていた旅券が入った巾着を抜き取られた。
・スクンビット通りを徒歩で移動中に、肩に掛けていたバッグに入れていた旅券在中の財布を抜き取られた。
同大使館は、第三者に取り出されやすいポケットなどに旅券や貴重品を入れず、電車内やイベント会場など人が多く集まる場所では、バッグを体の前に持つよう呼び掛けている。
またバンコク中心地区では、近隣国からの旅行者を名乗る女性(又は女装した男性)が、日本人男性に英語や片言の日本語で声を掛け、お金をだまし取る詐欺被害が発生している。同大使館によると、複数回だまし取られて、被害が高額となった事例もある。
「〇〇からバンコクへの移動中に財布や旅券をなくして困っている」、「旅券の再発行代など、5万バーツ貸して欲しい」、「借りた額を振り込むので、口座番号を教えてほしい」などと声を掛ける特徴があり、注意する必要があるという。
中東系の男性(または男女)による現金・クレジットカード抜き取り被害も多発している。
[在タイ日本大使館が公表した被害事例]
・アソーク駅近くで男性に英語で声を掛けられ話していると「私たちにはお札にキスをする習慣がある。日本のお札を見せてほしい。」と言われ、お札を見せようとしたところ、財布を強引に掴まれ「ちょっと見るだけ。」と言って中身を確認される。すぐに手を離してくれたが、別れた後不審に思い中身を確認したところ、5万円抜き取られたことに気付く。
・トンローのドンキモール近くで男性に「来週日本に行く予定なので日本のお札を見せてほしい。」と英語で声を掛けられる。お札を見せようと財布を開いたところ、強引にお札数枚を取り出された。男性はすぐにお札を返してくれたが、後ほど確認したところ、10万円程抜き取られていたことに気付く。
・ホワイクワンのショッピングセンター内で男性に「タイに観光で来ており、これから両替をする予定だが、タイ通貨を見せてほしい。」と英語で声を掛けられる。お札を見せ、別れた後に財布を確認したところ、クレジットカード1枚を抜き取られていたことに気付く。