タイラットの21日付報道によると、タイのセター首相は米ブルームバーグのインタビューに応じ、娯楽目的の大麻使用を制限し、医療用のみ許可する法改正に向け準備を進めていると述べた。タイは昨年、アジアで初めて、麻薬リストから大麻を削除していた。
インタビューによると、タイ政府は6カ月以内に、娯楽用大麻の販売店を規制する。大麻に関連する法律を改正し、大麻使用の目的を医療用に限定する方針。
セター首相は、大麻政策は連立与党11党の合意事項だとし、各党は大麻の使用制限の必要性を理解しているが、今後の対応は不透明だとした。
5月に実施された総選挙では、タイ貢献党は徹底した麻薬取締政策を推進し、1年以内に結果を出すと宣言。麻薬リストから削除した大麻を再び規制することを公約に挙げていた。
一方、昨年、麻薬リストからの大麻削除で旗振り役となったタイ誇り党のアヌティン党首は、大麻関連法を見直して規制を強化するが、大麻を麻薬リストに戻すことは反対だと述べている。
保健省は昨年6月9日、麻薬リストからの大麻除外を発表。大麻を管理する法律が曖昧となり、問題となっていた。現在、国内の大麻販売店は約6000件。保健省食品医薬品局(FDA)に登録すれば、農民も大麻を自由に栽培できる。
またセター首相は、海外逃亡から帰国後、入院中のタクシン元首相について、「タイの政治史で最も人気の高い首相で、現政権をより安定させる人物」とし、タクシン氏が自由の身になれば助言を求めるだろうと述べた。
セター首相は米中関係にも言及。「両国の対立の拡大は遺憾」とし、タイがどちらの陣営に付くか選択を迫れられることを懸念しているとした。
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