日本政府は22日、タイ東北部ムクダーハーン県ムアンムクダーハーン郡で、エイズ感染者支援のため、サイアムケア財団に総額370万バーツを拠出したと発表した。
在タイ日本大使館によると、支援は草の根・人間の安全保障無償資金協力によるもの。エイズ感染者と家族向けの研修施設兼宿泊施設1棟を整備し、エイズに対する知識の普及に役立てる。宿泊施設の建設により、遠方に住む感染者や家族も研修に参加できるようになるという。
同郡にあるサイアムケア財団で22日、引き渡し式典が行われ、同県のシリワーン・エンタン社会開発・人間の安全保障局長、サイアムケア財団のミーサック・ユアンレアー財団長、在タイ日本国大使館の鈴木昭喜二等書記官ら関係者が出席した。
サイアムケア財団は、2000年から地域や学校、病院と協力し、エイズに関するセミナーを開催。県内に住む約200人の感染者に対し、在宅訪問や病院への移動補助、診察内容の相談などの活動を行ってきた。
同県はラオス国境に位置し、エイズなど性感染症の罹患者が多い地域。一方、病気への理解が不十分で、感染者が差別の対象になったり、家族の理解が得られず自宅に閉じ込められて隔離されたり、社会復帰を望んでも仕事が見つからないなどの問題が発生しているという。