外務省は11日、2023年4~6月のタイの治安・一般犯罪などに関する海外安全対策情報を公表した。邦人の犯罪被害届は前年同月比で3倍に増加したほか、邦人8人が不法滞在や傷害事件でタイ逮捕に逮捕された。
外務省によると、邦人の犯罪被害届出は37件で、前年同期比3倍、前四半期からは7件減少した。
不法滞在や暴行などの傷害事件でタイ警察に逮捕された邦人は8人。不法滞在などを理由に12人が国外退去となった。
タイ深南部(ヤラー県、パッタニー県、ナラティワート県、ソンクラー県)では、銃器や爆発物を使用したテロが月平均約14件発生。いずれもイスラム武装勢力の関与が推測されているという。
ヤラー県、パッタニー県、ナラティワート県とソンクラー県の一部(ジャナ、テーパー、サバヨーイ各郡)は、外務省から危険情報「レベル3:渡航は止めてください(渡航中止勧告)」が発出されているため、渡航を中止するよう注意喚起した。ソンクラー県の他郡は、「レベル2:不要不急の渡航は止めてください」の危険情報が発出されている。
また5月にはタイ駐在日系企業に対するビジネスメール詐欺未遂が発生。取引先企業とのメールのやり取りに割り込み、取引先になりすまして口座に送金させようとする詐欺に関する報告があった。
旅券の紛失・盗難の相談件数は、4月は20件、5月は16件、6月は21件だった。同省は、相談件数は引き続き高水準で推移しており、貴重品をリュックの外ポケットなどに無造作に入れず、紛失や盗難防止に努めるよう呼び掛けた。