タイ旅行業協会(ATTA)は、今年のソンクラーン期間中に海外旅行するタイ人が増加していると述べた。タイで続く猛暑を避け、日本や香港、欧州への旅行が人気で、3月上旬からパッケージツアーが完売状態だという。プラチャーチャート・トゥラキット(電子版)が報じた。
タイの旅行代理店であるインスピリット・ホリデーは、ソンクラーン期間中の観光パッケージの売れ行きが予想以上に好調で、航空券が不足していると述べた。最も人気があるのは日本で、3月上旬から完売状態だという。ソンクラーンの連休だけでなく4月末まで売り切れ状態で、年内はこの状態が続くとした。日本政府が5月8日から、外国人旅行者の入国規制を解除することが影響しているという。
パッケージツアー価格も高水準で推移しており、東京・北海道4泊5日のツアーは約4~5万バーツとなっている。一方、日本の一部地域へのツアーで、3万バーツ未満まで値下がりしているものもあるという。
購買力のある高所得層の大半は、イタリアやスイス、フランスなどの欧州旅行を選んでいるという。またATTA会長は、中国政府がタイ人へのビザ申請を許可したため、申込みが増えているとした。一方、韓国市場は大幅な落ち込みを見せている。韓国政府の措置で、外国人がビザ無しで入国する際、電子渡航認証(K-ETA)システムに登録する必要があり、タイ人への入国許可率が低いため、敬遠されているという。
また新型コロナウイルス感染症流行前に比べ、タイ人の旅行傾向に変化が見られるという。以前は30~40人の団体旅行が主流だったが、現在は家族や友達など少人数の旅行が増えており、観光プランも自分で計画する人が多くなっている。
カシコン・バンク傘下のカシコン・リサーチセンターは、今年タイから海外旅行するのは約700~800万人(2019年1050万人)で、ソンクラーン期間中は約20万人が出国すると予測している。