世界銀行はこのほど発表した2023年の世界経済見通しで、タイの2023年の国内総生産(GDP)成長率を、昨年6月の4.3%から下方修正し、3.6%と予測した。一方、観光や輸送など、人との接触機会が多い業種が回復に向かうと指摘した。
タイを含む東アジア・大洋州地域(EAP)のGDP成長率は4.3%に下方修正した。中国で新型コロナウイルス感染症関連の規制が緩和されて経済活動が徐々に再開されるものの、中国のコロナ関連の混乱と不動産部門の低迷、EAP域内の輸出の伸びが予測より弱いことが影響した。またインフレは2022年にピークを迎え、若干減速すると予測した。
また2022年の中国以外のEAPのGDP成長率は5.6%まで上昇した。多くの国で新型コロナウイルスによる移動制限と渡航禁止措置が解除され、繰り延べ需要が経済活動を後押し。タイ、マレーシア、フィリピン、ベトナムの成長率が、輸出の回復を背景に上方修正されたことを受け、6月の予測を0.8%ポイント上回る結果となった。