スアンドゥシット大学の世論調査センター(スアンドゥシット・ポール)は16日、タイ動物保護機関と協力して行った「観光業に利用される象についての意見調査」の結果を公表し、多くのタイ人観光客が、観光業での象の利用を虐待と捉えて反対していることが分かった。観光客に人気の象乗りや曲芸なども含まれており、象を守るための改革が急がれる。
調査対象は16~65歳のタイ人1116人。象が曲芸をする観光地へ赴いたことがあるのは85%で、多くの人が象乗りや曲芸は動物虐待だと答えた。「曲芸で野生の象とは違う行動を強制している」が77%。「観光地での象乗りや曲芸は必要ない」が72%、「象を訓練することで動物の自由を奪っている」が48%。
象と一緒にしたことがある活動については、「ミルクや食事を与える」が21%、「サッカーやバスケ」は12%、「絵描きショー」が11%、「背中に乗る(写真撮影など)」が9%。象関連の観光に行くことを決めた理由は「家族と過ごしたい」が24%、「楽しみたい」が20%、「子供や孫を遊びに連れて行きたい」が15%。
タイで象を保護する活動をしている環境財団の会長は「象に芸をさせることは酷い仕打ちだ。象乗りのための道具を一日つけることで、身体が傷付くことが多く、身体障害になったケースも少なくない。政府は象の福祉を理解できておらず、象のショーを促進している。現在は一部の安全標準が適当されたが、まだ不十分。さらに象の安全を考慮する法律を作るべきだ」と提言した。