防衛省のウィサヌ報道官(中将)は4日、3日付けで同省副次官から省付きの顧問団長に異動になったバンナウィット・ゲーンリヤン海軍大将が繰り返してきた一連の軍・政府批判発言に対する処分を決める為に、防衛省監察官のスラポン・プムゲーオ大将を委員長とする解明委員会を設立した事を明らかにした。最終的な処分は委員会の調査結果を受けブンロート防衛大臣が決定する予定。 この発言は、国王が防衛省副次官のバンナウィット海軍大将を3日付けで省付きの顧問団長に据え、後任にトサラット・ムゥアンアム大将を据える人事を認証された事を受けたもので、ウィサヌ報道官は、今回の人事はブンロート防衛大臣の警告を無視し軍幹部人事問題を国家立法議会の場で取り上げ、同大臣やウィナイ次官が答弁を行い議会側の理解を得られているにも拘わらず、国王の認証後も軍幹部人事に対して再度非難を繰り返しただけでなく、ウィナイ次官やスラユット首相の辞任を要求し、更にソンティ元国家安全保障評議会議長の安全保障事項担当副首相への就任を批判した事を受けた更迭人事である事を認めた上で、同海軍大将の一連の発言は親族や関係者の事を考えた私益の為の発言であったと指弾した。 前後して、ブンロート防衛大臣は、今回の人事は自身で決めたもので首相は一切関与していなかった事を明らかにした。 一方、民主主義市民連合の活動に合流した事でも知られ、国家立法議会内で首相・内閣に対する不信任決議案審議に向けた準備を進めている政治家、官僚及び国民の道議的意識推進臨時委員会委員長のプラソン・スンシリ空軍少将は、バンナウィット海軍大将が中心になって不信任決議案審議に向けた解明作業を行っている最中に行われた尋常では無い人事であると指摘した上で、政府側は同海軍少将が副次官時代に軍の輸送車を始めとする武器調達計画の実施を延期処分にしたことや軍幹部人事を批判した事と今回の人事が関係しているかを明確にするべきであると指摘した。しかし今回の人事が同海軍大将の国家立法議会議員としての志気に影響を与える可能性に関しては否定した。 尚、バンナウィット海軍大将は、副次官のポストから外された事により、これまで進めてきたウクライナからの軍用輸送車等の調達計画に対する解明作業を中止せざるを得ないとしたものの、今回の人事には特に落胆しておらず、今後も自身が提出した運輸大臣及び同副大臣に対する不信任決議案審議に向けた取り組みを始めとした国家立法議会議員としての職務に邁進していくと語った。 バンナウィット海軍大将は、民主主義市民連合幹部で、強力に首相の退陣を要求する論陣を張っているソンティ・リムトーングン氏系のグループ(連合内では同氏の番組ヤーム・ペーンディンをとってグルム・ヤームと呼ぶことも)に近く、また親タクシン派のPTVや反クーデター派の国家反独裁民主主義同盟の活動に対抗しソンティ氏らと共に国内和解推進グループを結成し無言での抗議活動を展開した事でも知られる。 また、本人は否定しているものの、5%を超える民間企業株式を所有する閣僚に対して辞任圧力をかけたとされるティーラパット首相府大臣もソンティ・リムトーングン氏に近い関係にあるとされ、先にプリディーヤトン副首相兼財務大臣が辞任する際に閣内に特定のメディア関係者に近い人物がいると異例の発言をしたのも記憶に新しい。因みにソンティ氏系のプーヂャッガーン紙はプリディーヤトン氏就任早々から同氏の批判的な論調を展開していた。
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