8月31日9:30前、ナラーティワート県ルゥーソ郡内で、踏切脇に設置されたブース内で踏切り操作の任務に就いていた40歳(報道により43歳)のタイ国鉄職員男性が、バイクで現れた2人組に銃撃され死亡した。更に2人組は男性が護身用に所持していた拳銃を盗むと共に10Kg重量の爆発物を付近に仕掛け、当局関係者の到着に会わせ遠隔操作で爆破させたが、幸い人的な被害は無かった。尚、初期報道以降の報道の多くが銃撃事件後の爆発に触れていないことから、爆発自体が発生していなかった可能性もある。 更に、同郡内では同日夕方過ぎ、所用を終え帰宅の為に村道内を歩行中だった43歳のイスラム系住民男性が、バイクに乗った2人組に銃撃され死亡した。 また、同県ランゲ郡内では8月31日昼前、2005年に発生した住民等によって拉致監禁された諜報任務に就いていた海軍関係者2人が惨殺された事件に関与していた容疑で50万バーツの懸賞金を掛けられ身柄を追われていた25歳のイスラム教徒の男が、バイクで路上を走行中にバイクに乗った2人組に銃撃され重傷を負い搬送先の病院で死亡した。口封じの為の犯行と見られる。尚、報道によってはモスク前にあるバイク修理店で店主と雑談中に銃撃を受けたとするものや、被害者は海軍関係者惨殺事件の容疑者として過去に身柄を追われていた事もあったとするものもある。 一方、ヤッラー県内では、8月31日夕方過ぎに県都内バンナンサーレン地区内で、集中摘発作業中だった軍の特務部隊と家屋内に潜んでいた6人組との間で銃撃戦が発生し、6人組の内の1人が死亡し5人が逃走した。 銃撃戦で死亡した男は、分離主義組織の実行部隊地域幹部として昨年県都内で発生した銀行等11ヶ所連続爆破事件等に関与していた容疑で身柄を追われていた同県ヤッハー郡内在住の27歳の男で、銃撃戦が発生した村内では村民の誰も男の素性を知らない余所者だったという。 また、同県県都内では9月1日17:30前、中心部の路上に仕掛けられていた爆発物が路上の警戒作業にあたっていた軍関係者の車列の通過に会わせ爆発したが、人的な被害は無かった。 更に同日深夜には同県ベートン郡内で、モスクでの礼拝を終え徒歩で帰宅途上にあった53歳の聖職者が何者かに銃撃され死亡した。 一方、パッターニー県内では9月1日14:00前ヤッラン郡内で、路上脇に潜んでいた人数不明の一味がバイク2台に分乗して路上を走行中だったソンクラーナッカリン大学の学生男女4人に向け銃を乱射し、22歳の男性が死亡した。銃撃を受けた4人組の内の1人の女性(イスラム教徒)の父親は元バンコク選出上院議員で、4人組は会議の為にヤッラー県内を訪問中だった元上院議員に会いに行くためにバイクで同県内に向かっている途上だった。尚、一部報道がヤッラー県内で事件が発生したと報じているが、パッターニー県ヤッラン郡の警察当局が事件を担当していることから誤報だと思われる。 パッターニー県内では同日夕方に県都内で、自宅付近を歩行中だった40歳のイスラム系住民男性が何者かに銃撃され重傷を負うという事件も発生している。男性は同県ノーンヂック郡内にある郵便局の職員だった。 また、ソンクラー県内では、9月1日朝サバーヨーイ郡内で、通学路の警戒作業にあたっていた軍関係者と人数不明の一味との間で銃撃戦が発生し、軍関係者1人が死亡し1人が負傷を負った他、同日20:00前には同県ヂャナ郡内にあるガソリンスタンド内の7-11付近に仕掛けられていた爆発物が爆発したが、幸い人的な被害は無かった。
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