三菱重工業は24日、タイ発電最大手のタイ発電公社(EGAT)とクリーン電力発電、クリーン水素、二酸化炭素回収・貯留技術(CCUS)に関するMOU調印したと発表した。2050年までのカーボンニュートラル達成を掲げるタイの目標を支援するため、今後3年間にわたり、特定分野に関する経験や情報を交換。クリーン発電の推進に関する経験や技術共有のため、相互人材派遣も実施する。
MOU調印にあたり、三菱重工の田久保亮・現地法人社長は「50年以上にわたりタイのエネルギー拡大に貢献してきた。開発中のクリーン燃料を利用した最先端ガスタービンと、CO2排出削減に不可欠なCCUS技術を中心に、今後もタイの脱炭素化に貢献できることを楽しみにしている」と表明。
またEGAT発電所開発・再生可能エネルギー部門のThidade Eiamsai副総裁は「過去数十年にわたり、三菱重工と信頼関係を築いてきた。今回のMOUは、国家エネルギー計画に沿ったタイのエネルギー移行を促進すると確信している。三菱重工の協力に感謝するとともに、今後もタイのエネルギー分野で共に力を発揮できることを楽しみにしている」と述べた。
三菱重工は1968年、EGATと最初のプロジェクトであるクイーン・シリキット・ダムを建設。以来、サウスバンコク発電所やナンポン発電所など、タイ全土のエネルギープロジェクトに参画してきた。2009年にはガスタービンのサービス提供と地元のエンジニア人材育成を目指し、両社による合弁会社「EGAT Diamond Service Co., Ltd.(EDS)」を設立した。