高島屋は、バンコク都内のチャオプラヤー川西岸に建設中の大型複合施設「アイコンサイアム」のショッピングモールに「サイアム高島屋」を出店する。2017年にオープンを予定している。
アイコンサイアムは、バンコク都内でサイアム・ディスカバリー・センター、サイアム・センター・サイアム・パラゴンなどを運営するサイアム・ピワット社、グループで農業・食品をはじめセブンイレブン、不動産開発などを手がけ今年7月に日本の伊藤忠商事と資本提携を結んだ財閥CPグループ、住宅開発のマグノリア・クオリティ・デベロップメントの3社が出資し設立したアイコンサイアム社が開発。
このアイコンサイアム社と合弁でサイアム・タカシマヤ・タイランド(タカシマヤ・シンガポール51%、アイコンサイアム49%出資)を設立し、サイアム高島屋の運営を行う。高島屋はシンガポールの経営資源・ノウハウ・ASEAN諸国での知名度を活用し、高級感、ホスピタリティのある地域密着型の店舗を目指す。
アイコンサイアム社がこの開発に約500億バーツ(約1500億円)を投じる。この投資額はタイでは過去最大規模。敷地面積は約8万平方メートル。ショッピングモールに加えて、超高層コンドミニアムが建設される。完成は2017年を予定している。
これまでチャオプラヤー川沿いは、外国人向けの高級ホテルやコンドミニアムばかりだったが、不動産開発大手のTCCグループが商業施設「アジアティーク・ザ・リバーフロント」をオープン。これに続く形で、同プロジェクトが始動した形だ。
日系の百貨店は、バンコク都内中心部に東急、伊勢丹がそれぞれ1店舗ずつ出店している。今年になり東急がバンコク郊外に2号店をオープンすると発表、そして今回高島屋がタイへの進出を決定するなど、日系百貨店がタイ市場開拓へ本格的に乗り出している。
高島屋は、アイコンサイアムのプロジェクトに参画した理由について、「サイアムピワット社は、バンコク商業の中心部「サイアムエリア」に世界的にも有名な高級商業施設を保有・運営管理する不動産事業会社ですが、百貨店を独自に保有しておらず、提携による両社のメリットは大きいと判断しました。また、サイアムピワット社CEOのチャダティップ氏が、幼少の頃よりご両親と日本橋高島屋に複数回ご来店された思い出があり、高島屋に対する憧れや愛情を持ち続けていると聞いたことも理由として挙げられます。」としている。