タイ南部プーケット県は、先日も米歌手のジェイZ・ビヨンセ夫妻が訪れるなど、世界的にも有名な観光地として知られている。昨年同県を訪れた観光客は1200万人を突破、5年以内に年間2000万人を突破する勢いだ。
それにも関わらず、これまで観光客をターゲットとしたショッピングセンターなどの開発はそれほど多くはなかった。だがここにきて、バンコクを中心にせめぎ合いを続ける国内の2強がそれぞれ大規模プロジェクトを発表している。
■タイ主要都市を網羅する国内最大手のセントラル・グループ
バンコクのセントラル・ワールド・プラザ(CWP)をはじめセントラル・プラザをタイ国内に20店舗以上の展開するセントラル・グループは、プーケットにおいてセントラル・フェスティバル・プーケットとロビンソン・デパート・パトンの2店舗のみ。現在デパート「セントラル・プーケット」を急ピッチで建設中だ。このデパートは遊園地、スケートリンク、水族館をはじめ、世界的なブランドが数多く入居する予定で、バンコクにオープンしたセントラル・エンバシーと同等の超高級デパートとなる。2017年に開業を予定している。
■バンコクに強みを持つザ・モール・グループ
サイアム・パラゴン、エンポリアムといったバンコク中心部に多くのデパートを展開するザ・モール・グループは、現在バンコク都内プロンポン地区や中部観光地ホアヒンに大規模ショッピングモールを建設中だ。観光客が多く集まる地区での開発を得意とする割に、グループ内でプーケットにショッピングモールなどは保有していない。だが現在200億バーツを投じて、約24万平方メートルの敷地に「BluPearl」というショッピングモール、ホテル、コンドミニアムなどの複合施設を建設中だ。年内に着工し3年以内に開業を目指している。
ASEAN経済共同体(AEC)の発足によってASEAN地域交流が活発化。プーケット国際空港の拡張によって急増する観光客の対応に準備を進める各企業。デパート業界2強によるプーケットでの争いに目が離せない。