タイ中央銀行(BOT)のバンディット金融安定担当副総裁は、3月下旬から5月にかけて起こった国内の政治問題を受け、今年のタイ経済成長は減速するだろうとし、主要経済指数の動向を見守る必要があると述べた。特に、国内支出、投資の促進力、まもなく実施される国内投資家・企業に対する信用の回復政策が、減速ぎみのタイ経済成長をどれだけサポートできるかを見守るべきだとした。
同時に、世界経済の回復に何らかの問題が出た場合、タイの輸出産業に影響を及ぼす恐れがあるため、世界経済の情勢も重視すべきであり、現在、主要工業国(米・日・独)における高い失業率や、国債の膨らみが財政状態に影響するとみられることから、停滞気味の世界経済の回復に制限がかかるだろうと述べている。そのため、同銀行の金融政策委員会が経済全般に対する動向や影響などの情報を収集し、6月2日の政策金利決定に参考にすると同氏は述べている。