インド外務省は25日、タイ軍がカンボジア国境にあるヒンドゥー教の像を取り壊したことに懸念を表明した。同省は「このような無礼な行為は、世界中の信者の感情を傷付ける」と批判した。一方、タイ軍は「通常の地域管理で、宗教を冒涜する意図は無い」としている。
現地メディアの報道によると、タイ軍は、東北部ウボンラーチャターニー県の国境紛争地域チョンアンマを制圧し、新しく像が建立されているのを発見。工兵部隊が22日にクレーンを使って解体した。タイ軍は、カンボジアが同地域の領有権を主張するために建立したと主張。通常の地域管理で、宗教を冒涜する意図は無く、タイはあらゆる宗教を尊重していると強調した。
一方、タイのアヌティン・チャーンウィラクン暫定首相は、「まだ報告を受けていない」としながら、「紛争で兵士が失った手足や、冒涜行為と比較できるものではない。私はそのよな比較はしない」とコメントした。
同省のランディール報道官は、「タイとカンボジアの双方に、対話と外交に戻り、平和を回復し、これ以上の人命の損失や財産・文化遺産への損害を回避するよう強く求める」と述べた。