タイとカンボジアの軍事衝突以降、情報戦が激化している。カンボジア国防省は「タイ軍がカンボジアに侵攻し、軍事作戦で化学兵器を使用した疑いがある」と主張。タイ軍は27日、「根拠のない批判で重大な誤報だ」と疑惑を否定している。
現地報道によると、タイ軍は、「化学兵器禁止条約(CWC)に基づく義務を遵守し、いかなる状況でも化学兵器を開発・製造・所有・使用しない」と発表。カンボジア側の主張を否定したが、双方の政府とメディアは自国の主張の発信を続けている。
またカンボジアでは、主要交戦地となっているタイ東北部を担当する第2軍管区のブンシン司令官が死亡したとの情報が拡散。ブンシン司令官は28日、自身の死亡説を否定。カンボジア国境で部隊と共に戦っていると話した。
カンボジアで拡散している「ブンシン司令官死亡」情報には、タイ兵士らが「安らかに眠れ」などの言葉が書かれた司令官の写真を掲げている加工写真などがあり、「最前線で戦うタイ兵士や国民の士気を傷付ける意図がある」と指摘した。
さらに、カンボジアのプノンペン・ポストは28日、「衝突発生から5日間で、約40万人の出稼ぎカンボジア人労働者がタイから帰国」と報道。一方、タイ側の報道では数万人規模で、数字に大きな差がある。