ピン川の氾濫で洪水に見舞われたタイ北部チェンマイ県のエレファンント自然公園(メーテーン郡)ではゾウ2頭が溺死した。114頭は安全な場所に移送したが、9頭のオスのゾウは取り残されたままで、1頭は行方不明となっている。
クルンテープ・トゥラキットなどの現地報道によると、国立公園・野生動物・植物保全局は、洪水の影響を受けたゾウは126匹。公園職員は洪水警報発令後、高台へのゾウの避難を開始したが、水位の上昇が止まらず高台も浸水被害を受けた。
ゾウが鎖で繋がず、柵で囲んだ保護施設で飼育していた。死亡したゾウは16歳のメスのゾウと、40歳の盲目のメスのゾウだという。
行方不明のゾウの捜索のため、タイ王国空軍第41航空団はヘリコプター部隊を派遣。同局や王立森林局、獣医チーム、国立ゾウ研究所の職員やボランティアが、公園に残されたゾウの救助に当たっている。
一方、ゾウによる支援活動も始まっている。一部で史上最高の5メートル超の水位を記録した地域では7日、チェディルアン寺院の僧侶がゾウを派遣。救助車両が進入できない被災地域へ支援物資を運搬している。
県内で多くのホテルが冠水する中、五つ星ホテルのシャングリラホテルは冠水を免れた。ホテル関係者によると、同ホテルは2007年オープン。ホテルが立地するチャーンクラーン通りは過去に水害被害が遭ったため、ゲートを用いた水害対策を強化。17年間で水害被害に一度も遭っていないという。
北部タイホテル協会よると、ピン川沿いにある五つ星ホテルは数十軒で、部屋数は約1500室。今回の水害で大きな被害を受け、事業再開まで約2カ月かかる見込みだという。