タイ中部サラブリー県ケンコーイ郡で見つかった光る陸生カタツムリ「生きたグロー・スティック(living glow stick)」が、その年に報告された最も注目に値する軟体動物を選ぶ「2024年国際軟体動物賞」に選ばれた。
中部大学によると、同大学応用生物学部大学院生の水野雅玖氏と大場裕一教授、チュラロンコン大学のアーシット・ポンヨタ博士とソムサク・パンハ教授らの研究チームが発見。3月13日から 4 月14日にオンラインによる一般投票があり、投票総数6263票のうち、光るカタツムリは3279票を獲得した。
マティチョンの報道によると、チュラロンコン大のアーシット博士によると、研究チームは2020年8月、同郡の石灰岩の山で光るカタツムリ(学名:プファニア・クロッセPhuphania)を発見したと述べた。光るカタツムリがタイで見つかったのは初めて。
同氏は光るカタツムリについて、黄緑色に発光し、暗闇の中でもはっきり見えると語った。光の強さは蛍より弱いが、継続的には発光できる。複数の個体が集まれば、美しい光となるだろうと述べた。
発光カタツムリの個体数は相当数になると推定。小さく隠れ上手のため、見つけるのは難しいという。雨季に隠れ家から出て、適切な場所に集団で集まっているようだ。両性の性質を持ち、1匹でも繁殖できる。寿命は約2年。
同賞は2021年、ドイツ・フランクフルトのゼンケンベルグ自然史博物館とローエ・トランスレーショナル生物多様性ゲノミクスセンター(LOEWE-TBG)、軟体動物学に関する国際学会ユニタス・マラコロジカが共同で立ち上げた。今回で4回目。
中部大学によると、光るカタツムリは今後、LOEWE TBGが全ゲノムの解析をする。