外務省は2日、タイの首都バンコク全域を対象に発令していた危険情報(レベル1)を解除した。昨年5月の総選挙で新連立政権が発足し、激しい政治デモや抗議活動も無いことから決定した。
南部ナラティワート県、ヤラー県、パッタニー県、ソンクラー県の一部(ジャナ郡、テーパー郡、サバヨーイ郡)に発令中の「渡航中止勧告(レベル3:渡航は止めてください)」と、ソンクラー県(ジャナ郡、テーパー郡、サバヨーイ郡を除く)に発令中の「不要不急の渡航中止(レベル2:不要不急の渡航は止めてください)」は継続。
タイ南端のマレーシア国境付近は、中央政府の支配に反抗するイスラム武装勢力による襲撃・爆発事件が頻発。主に警察や軍、刑務所などの職員や施設が標的だが、ホテルやショッピングセンター、公共交通機関などが攻撃対象になることもあり、先月22日にもパッターニー、ヤラー、ナラーティワート、ソンクラー各県のセブンイレブンなど合計40カ所で、テロリストによる放火事件が発生した。
プレアビヒア寺院周辺地域(タイ東北部シーサケート県とカンボジアのプレアビヒア県の国境地域)は「十分注意(レベル1:十分注意してください)」を継続する。
同地域の帰属をめぐり、カンボジアとの間で過去に軍事衝突が発生。現在は沈静化しているが、不測の事態が発生する可能性が排除できないという。
タイでは日本人を直接標的としたテロ事件は確認されていないが、2015年にはバンコクで爆発テロ事件が発生。巻き込まれた日本人が負傷した。2019年8月のASEAN外相会議の開催期間中にも、バンコク中心部などで連続爆発テロ事件が発生した。