日本政府は3日、秋の外国人叙勲受賞者を発表した。タイからはチャロン・ポカパン(CP)グループ上級会長のタニン・チャラワノン氏(Mr. Dhanin Chearavanont)が、日・タイ間の経済交流の促進に寄与した功績により、旭日重光章を受章した。
在タイ日本大使館によると、同氏は長年にわたり、CPグループの経営者として多くの日本企業と協業。日本企業の事業展開や日タイの経済関係強化に重要な役割を果たした。
また、タイ各地にある食品販売店で日本の食品を販売し、日本の食文化を積極的に発信。日本食文化の普及・発展にも大きく貢献したことが認められた。
旭日中綬章には、タイから2人が受章。元モンクット王工科大学ラカバン校学長のプラキット・タンティサノン氏(Dr. Prakit Tangtisanon)は、令和元年から令和4年の間、タイ王国元日本留学生協会会長として、日本留学生の増加や元留学生のネットワーク化に貢献。平成20年から平成24年の間には、アセアン工学系高等教育ネットワーク事務局長として、日アセアンの教育交流に貢献した。
タイ電子取引開発機構(ETDA)長官のチャイチャナ・ミッパン氏(Dr. Chaichana Mitrpant)は、日ASEANサイバーセキュリティ能力構築センター(AJCCBC)の設立と、約4年間にわたるセンターの運営に貢献。サイバーセキュリティ分野における日ASEAN間の関係強化に向けて、極めて重要な役割を果たしたことが受章理由となった。
国立チュラロンコン大学政治学部教授のスリチャイ・ワンゲーオ氏(Prof. Surichai Wun’gaeo)は、旭日小綬章を受章した。同氏は、日本とタイの間で生じた諸問題について、長年にわたり社会学の専門的見地から、著作・論文・ソーシャルメディアを通じ、双方の社会と国民に対して助言や提言を行った。また、タイにおける日本研究者間のネットワーク拡大を目指し、日本研究ネットワーク・タイランド(JSN-T)創設に尽力し、研究者の後進育成にも貢献した。