タイ工業連盟(FTI)が14日発表した5月の産業景況感指数(100以上で好感)は、前月(95.0)から2.5ポイント減の92.5だった。減少は2カ月連続。プラチャーチャート・トゥラキットが報じた。
FTIのクリエンクライ会長によると、世界経済の低迷で輸出の減少が続いていることや、為替相場の変動が原因だという。
エネルギー価格や金利が上昇傾向にあることから、事業者は生産コストの高騰に直面していると指摘。消費者は家計債務問題で消費を控えているとした。また総選挙後、新政権の樹立が遅れていることも不安要素となった。
一方、好調な観光業が商品需要を支えていることや、中国経済の回復が輸出にプラスとなっていることが安心材料となった。
3カ月後予測は、事業者の不安感から前月(105.0)比0.7ポイント減の104.3だった。政府の最低賃金の引き上げで、特に中小企業の運営コストに影響する懸念があるほか、海外からの投資も減少する可能性があると分析。また気候変動や干害により、農産加工業の原材料に影響が出るとした。
FTIは政府に対し、3つの提言を発表。①政策金利引き上げに伴う貸出金利の上昇に影響を受けた中小企業への支援 ②タイ製品の輸出拡大へ向けて、自由貿易協定(FTA)に基づく輸出特権のさらなる活用を企業に促す ③投資家の信頼を得るため新政権を速やかに樹立し、政治空白を避けることを提言した。