カンボジアによるカオプラウィハーン遺跡の世界遺産登録に端を発したタイ・カンボジア間の国境紛争地を巡る対立は17日までに、両国あわせて1,000人以上の軍関係者が遺跡周辺の紛争地周辺に展開する事態にまで発展した事を受け、カンボジアのフンセン首相が国境紛争地を巡る対立が激化している事に強い懸念を表明した上で、タイ側に対して対立激化の元凶である軍隊の撤退及び両国間協議による平和的な手段による解決を呼びかける書簡をサマック首相宛に送りつける事態にまで発展している。
一部報道によると、陸上に展開しているタイ軍の一部が国境紛争地内に展開している他、空からはF16を投入して哨戒活動を行っているという。
カンボジアの情報大臣によると、カンボジアのフンセン首相とサマック首相兼防衛大臣との電話会談により21日にタイ国内で両国の防衛大臣出席のもとで情勢解決に向けた両国間協議を行う事で合意に至っているという。
一方、17日、カオプラウィハーンの返還を要求する為の抗議活動を展開する為にカオプラウィハーンへの接近を図っている、バンコクからの合流組を含む民主主義市民連合を中心にした住民グループと、抗議活動により地域の平穏が乱される事を嫌った、投石や立木等を矢状にして投げつける等の過激な手段で連合の進行を阻止しようとする地域住民との間で激しい衝突が複数回に渡って発生し、多数の負傷者が出る事態になった。
18日にも引きつづき連合側が当局側の警戒線を突破しながらカオプラウィハーンへの接近を図る事が予想されるため、地域住民との衝突の再発が避けられない情勢になっている。
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