サマック首相兼防衛大臣は20日、同日朝南部情勢対策の打ち合わせの為にソンクラー県を訪問したチャルゥム内務大臣が、命が惜しいとの理由で南部国境三県に足を踏み入れなかった事に関して、命が惜しいとの発言は一般人の発言としては普通のもので、また、内務大臣自身が己の立場・職責を認識するようになれば、頻繁に国境三県を訪問する事が予想されることから、今回の同大臣の言動が直接地域の住民や対策にあたっている当局関係者の志気に影響を与える事には為り得ないとの考えを示した。
また、首相自身の南部訪問の可能性に関しては、地域で直接対策にあたっている当局関係者に混乱を来す恐れがあるとして、現状では訪問する考えはないとし、また、マスコミに対しては、分離主義組織側に情勢を激化させる機会を与えるような報道を控えるよう要請した。
一方、民主党のアピシット党首は20日、南部問題は一つの組織だけで解決できず、また強硬手段を持ってしても解決できない、根が深い問題であるとの認識を示した上で、政府に対して、可及的速やかに民主党側の提案を受け入れ、域内に専門の政府機関を設置する法案を承認すると共に、サマック首相自らが南部を訪問し、不安に晒されている地域の住民を勇気づける事が重要であると指摘した。
同党首によると、内外の要人も利用する、域内で最も安全な場所の一つとして認識されていたCSパッターニー・ホテルの爆破による住民への心の影響は計り知れないという。
尚、20日朝、南部を始めと訪問したチャルゥム大臣は、ソンクラー県ハート・ヤイ郡内にある第九地区警察本部内で、南部国境四県の県知事や各当局責任者等を招集し、協議を行った。
今回の訪問には、国家警察本部本部長代行やスラユット政権時代に内務大臣を務めたアーリー・ウォンアーラヤ氏等が同行した他、同大臣の末の息子で、殺人容疑で起訴され、その後無罪が確定したドゥワン・ユーバムルン氏の姿も同行者の中に見ることが出来た。
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