タイサッカー協会は21日、石井正忠氏をタイ代表監督から解任すると発表した。石井氏が率いるタイ代表チームは、数日前に2027年AFCアジアカップ予選で台湾を6対1で下したばかりで、多くのサッカーファンが衝撃を受けている。
プラチャーチャート・トゥラキットなどの報道によると、同協会のチャーンウィット・ポルチーウィン副会長は、石井氏の電撃解任を受けて協会が激しい批判を受けていると明かし、「慎重かつ長期間の検討の末の決断だ」として理解を求めた。同協会は、指導哲学と方針の違いが要因だとしている。
石井氏は解任後、インスタグラムのストーリーズで「台湾戦の振り返りのため午前中にサッカー協会に呼ばれ、突然、各年代の代表スタッフを変えたいという理由で契約解除を告げられた。気持ちの整理ができずに署名をしなかったが、午後に解任の発表があった」と経緯を説明。同協会を「不誠実だ」と批判しながらも、タイ代表チーム対するファンのこれまでの応援に感謝を述べた。
同協会のチャーンウィット氏は後任について、国内外のコーチから検討し、来週初めまでに新監督を任命する予定だと述べた。11月13日にシンガポールと親善試合があり、11月18日にアジアカップ予選のスリランカ戦が控えている。
石井氏は2023年12月、タイ代表チームの監督に就任。勝率は30戦中16勝(53%)。
サッカー専門家のマン・コーシン氏によると、代表選手の1人は、「解任は本当にショックだ。石井氏は一生懸命に指導している。台湾から6点を奪ったばかりで状況は悪くない。決勝トーナメントに進む可能性もある」と語っているという。
また代表選手は、石井氏の練習が「退屈」という噂に言及し、「誇張された批判だ」と一蹴。代表が予選を戦う中での解任は「得策ではない」としている。
同協会の関係者のフェイスブックには、「なぜ解任したのか」「同意できない」「非常に残念」などのコメントが相次ぎ、批判の声が上がっている。