タイの首都バンコクの路上に、パスポート取得や国籍変更を支援する内容の中国語看板が設置され、ソーシャルメディア(SNS)で懸念が広がった。内務省のアヌティン大臣は22日、看板の撤去を指示。看板が設置された経緯と、事業の合法性を調査するよう関係当局に指示した。
タイラットの報道によると、看板はフワイクワーン交差点にある4階建てビルに設置されている。サイズは幅約12メートル、長さ約14メートル。中国風の男性がパスポートを持つ様子や、中国語で「複数の国のパスポートを販売」「パスポートは本物」「申請手続きに約30日」「秘密厳守」などの宣伝文句が書かれているという。
取得できるパスポートは、インドネシア(3万元)やバヌアツ(7万元)、カンボジア(15万元)、トルコ(15万元)などで、タイのパスポートは記載されていない。
当局の報告によると、看板は地元広告代理店がシンガポールの会社から依頼を受けて21日に設置。ネット上で話題になったため、22日午前10時に業者が撤去したという。
22日午後3時、セター・タビシン首相も現場を視察。看板設置の経緯を調査するよう指示した。
公共放送PBSによると、前進党のウィロジ議員は、外国のパスポートを販売する看板の内容が事実であれば、タイが外国のパスポートを狙う国際犯罪組織の拠点となる可能性があると警告した。