タイ商務省貿易政策・戦略事務局(TPSO)が5日発表した1月の消費者物価指数(CPI、430品目、2019年=100、速報値)は106.98で、前年同期比1.11%低下した。減少は4カ月連続で、過去35カ月で最も低くなった。
プラチャーチャート・トゥラキットの報道によると、政府の生活費支援策でエネルギー価格が低下した。野菜や肉など生鮮食品も、前月から引き続き下落している。
生鮮食品とエネルギーを除いたコアCPIは104.6で、前年同期比0.52%上昇した。
世界各国との比較では、昨年12月のタイのインフレ率は0.83%減で、数値を発表している139経済圏中3番目に低かった。ASEAN7カ国(ラオス、フィリピン、シンガポール、ベトナム、インドネシア、マレーシア)では最低。2023年通年の平均インフレ率は1.23%増でで、139経済圏中9番目に低かった。
TPSOのプーンフォン氏は、2月と3月のインフレ率は引き続き低下すると予測。政府の支援措置により、1カ月当たりの電気使用量が300ユニット以下の世帯の電気料金は、1ユニット当たり3.99バーツを超えない料金に固定されている。支援措置の対象者は1777万人。ディーゼル燃料価格を1リットル当たり30バーツ以下に維持する措置も、4月19日まで継続する。
エルニーニョ現象の影響も減少し、一部地域の気温が低下。野菜の収穫量が前年を上回っているため、価格は低下する可能性が高く、今年第1四半期のインフレ率は0.7%減と予測。通年では0.3%~1.7%増と予測している。