カシコーンリサーチセンター(KRC)は、タイの今年第3四半期のGDP成長率が前年同期比4.0%と予想を下回る結果となったこと、経済リスクが増加傾向にあることから今年第4四半期の同成長率が前期よりさらに停滞し、前年同期比3.0%以下となる可能性があると明らかにした。現在同センターが同四半期の予想成長率は2.8%。これにより08年の平均GDP成長率が4.5%になるという。
また来年の上期の同成長率について、タイ経済が大幅に停滞する見通しであることから、前年同期比2.0%以下になる可能性がある。現在危惧しているのは、米金融危機による世界経済停滞による、タイからの輸出が大幅減となることだ。そのため同センターは、09年の予想成長率が通常で3.5%、最悪2.5%となる可能性があるという。
また同センターによると、来年は多くの事業が生産減少か一時的に生産を停止、レイオフ、事業中止などが起こる見通しだという。97年のアジア通貨危機時において、タイ政府とタイ中央銀行(BOT)は経済促進政策などが打てる状況になかったが、現在タイ経済の基盤は当時とは違い大幅に強化されているため、さまざまな経済促進に有効な手段を打つことができ、今回の危機を回避できると強調した。