在タイ日本大使館は10日、2025年7~9月のタイの治安と一般犯罪等に関する情勢傾向を報告し、7月24日に発生したタイとカンボジア両軍による軍事衝突以降、緊張状態が続くカンボジア国境付近へ渡航しないよう呼び掛けた。
同大使館によると、カンボジア国境の北部4県(シーサケート県、スリン県、ブリーラム県、ウボンラーチャターニー県)で7月24日、タイ・カンボジア両国軍による軍事衝突が発生。その後も攻撃が続き、7月26日には東部トラート県等にも拡大した。
7月28日には両国間で停戦合意が成立したが、現在も緊張状態が続いている。外務省は、シーサケート県、スリン県、ブリーラム県、ウボンラーチャターニー県、サケーオ県、チャンタブリー県、トラート県のカンボジア国境から50キロメートル以内に、危険情報「レベル3:渡航は止めてください(渡航中止勧告)」を発出。同大使館は、対象地域への渡航を止めるよう呼び掛けている。
また、タイ深南部(ヤラー県、パッタニー県、ナラティワート県、ソンクラー県)のテロ情勢について、イスラム武装勢力が関係すると思われる銃器・爆発物を使用したテロが月平均約17件発生(前四半期約15件)。
外務省は、ヤラー県、パッタニー県、ナラティワート県、ソンクラー県の一部(ジャナ、テーパー、サバヨーイ各郡)に、危険情報「レベル3:渡航は止めてください(渡航中止勧告)」を発出。ソンクラー県の各郡に、「レベル2:不要不急の渡航は止めてください」の危険情報を発出している。
7~9月の邦人犯罪被害の届出は38件で、前四半期比8件の減少。最も多い被害はスリで、次いで詐欺盗(見せ金詐欺等)だった。
邦人による犯罪については、入管法違反喝などの罪により、タイ警察は邦人5人を逮捕。邦人8人が退去強制となった。