サマック首相は29日午前、タイ国内には自分以外に首相はいないと強調した上で、あたかもタイ国内に首相が二人いるかの様に報じるマスコミに対して強い不快感を示した。
この発言は、タクシン元首相の帰国を機に同元首相の代理人としてのサマック首相の役割について分析・論評する動きがある事について聞かれた際に語られたもので、サマック首相は、タイに首相が二人いるような論調はマスコミ側の恥知らずなでっち上げでしかないと語り不快感を示した上で、誰が本物の首相で誰が元首相なのかという普通の事すら見極めずに、自分たちの考えを広める事だけを意図した報道を展開し社会に混乱を引き起こしているのがマスコミであると強い口調でマスコミ側を非難した。
しかし、タクシン元首相との関係については、前夜に電話で親しく話し面会する機会を持つことで互いに考えを一つにしている事を明らかにすると共に、スラポン副首相兼財務大臣が、1997年の変動相場制移行により多額の為替差益を得ていたとの疑惑も指摘されているタクシン元首相を為替政策関連をを中心とした顧問に据える意向を示している事に対しても問題は無いとの考えを示した。
また、サマック首相が同日朝首相官邸でアメリカのヒル国務副長官と面談した際にも同様にタイには自分以外に首相はいないと語っていた事が明らかになっている。
同席したスパラット政府副報道官によると、クリストファー副長官側から、司法手続きに則り己に持たれている嫌疑を晴らす為にタクシン元首相が帰国した事に対して歓迎の意が表明されると共に今回の帰国がタイ国内に再度対立をもたらすことには繋がり得ないとの考えが示された際に、サマック首相側がタクシン元首相が帰国しても本物の首相は自分以外にはいないと受け答えしていたという。
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