本日(20日)、タイ陸軍から突然タイ国内全域を対象に戒厳令が発令されたものの、バンコク都内はこれまで通り平穏な様相を呈している。
陸軍最高司令官のプラユット大将は、今回の戒厳令は市民の安全、治安の維持が目的であり、現時点で外出禁止令を出す予定はないとし、突然発令された戒厳令に混乱しないよう呼びかけていることが大きかったのかもしれない。
ただし都内各所に陸軍が出動し物々しい雰囲気となっている上、一部の道路封鎖などの行動にも出ており、若干の混乱も見られる。また一部メディアによると、タイ南部スラートターニー県にある観光地サムイ島では、戒厳令発令を知った一部の観光客が慌てて、帰国を早めているそうだ。
軍はタクシン派暫定政権から治安維持などの権限を剥奪し、新たに治安維持の専門チームを設置。テレビ局を管理下に置き報道統制を敷いた上で、タクシン派と反タクシン派のデモ隊を包囲し、デモ集会の移動を禁じて、対話に応じ解散するよう求めているのが現在の状況だ。
だがタクシン派、反タクシン派ともに解散はせず、集会を続行すると表明しており、今後の状況は不透明だ。