カンボジア軍は8日午前10時頃、タイ側の要請に応じ、東北部ウボンラーチャターニー県チョンボック国境の衝突現場から撤退し、カンボジア領内の同軍基地の位置まで撤退した。チョンボック峠近くに掘った塹壕も埋め戻した。
カオソッドなどの現地報道によると、国境検問所の閉鎖やインターネット遮断など、タイからの圧力が強まり、カンボジア軍はタイ軍との交渉に同意したという。
タイのペートンターン・シナワット首相は、カンボジア政府と協議し、前向きな結果が得られたとFacebookに投稿。「両国は緊張緩和のため。対立地点の軍の配置を共同で再調整することで合意した」と述べた。14日にはプノンペンで共同国境委員会(JBC)を開催。2国間協力を推進するとしている。
合意に先立ち、タイは7日午後7時から、カンボジアとの国境検問所の運営時間を変更。賭博目的の者や越境者や大型商用トラックの通行を禁止し、運営時間を短縮した。
東部サケーオ県アランヤプラテート郡のバーンクローンルック検問所の通過可能時間は、午前8時~午後4時に短縮(通常時午前8時~午後10時)。通過できるのは貿易・就労目的の越境者のみで、国境通行証・パスポートの有効期限は7日間以内。6輪以上のトラックの通行も禁止する。
タイ・カンボジア友好橋の検問所と、同県クローンハート郡のバーンカオディン検問所の通過可能時間を午前8時から午後4時に制限。
同県タープラヤー郡のバーンタープラヤー検問所とバーンノーンプルー検問所は、午前8時から正午まで通過可能。軍が状況に応じて通過者を検査する。
ウボンラーチャターニー県、ブリーラム県、シーサケート県、スリン県の検問所でも通貨制限を実施している。
一方、カンボジア入国管理局は報復のため、タイ人のカンボジア滞在日数を60日間から7日間に制限した。