カナダの最高裁判所は現地日付29日、1995年に不正融資で経営破綻したバンコク商業銀行(BBC)の頭取付顧問だったインド出身のラーゲース・サクセーナー氏のタイへの強制送還を命じる決定を下した。
ラーゲース氏は30日21:00頃にタイに到着する予定になっており、到着し次第タイの当局側が用意した拘置施設に収監される見通しになっている。
BBCの不正融資事件はバンハーン政権を崩壊へと導いた事件として知られ、この事件に連座して当時財務大臣だったスラギアット・サティヤンンラタイ氏(元外務大臣)が解任された他、当時グループ16会派を率いていたネーウィン・チットチョープ氏や元下院副議長のスチャート・タンヂャルゥン氏等の疑惑への関与が指摘されていた。
事件の全てを知るとも言われるラーゲース氏の強制送還は、当時バンハーン政権の中枢にいた、現在は主にプームヂャイ・タイ党を初めとする連立与党に影響力を持っている政治家に新たな悩みの種をもたらすだけでなく、特にプームヂャイ・タイ党からの突き上げに悩まされている民主党にプームヂャイ・タイ党押さえ込みの為の新たな切り札を与える事に繋がるとの指摘もされている。
尚、当時頭取だったグルックギアット・チャーリーヂャン氏に対しては2008年9月に35年の禁固及び40億バーツの罰金の支払いを命じる一審判決が刑事裁判所から下されている。
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