各報道によると、タクシン元首相は14日、ミャンマー政府によるアウン・サン・スーチー女史の釈放がタイ国内に於ける人権や民主主義の状況に波及効果をもたらすことになると指摘する声明を法律顧問のノパドン・パッタマ氏を通して発表した。
声明の中でタクシン元首相は、国民から愛されている民主主義の象徴であるスーチー女史の釈放をミャンマー政府が決定した事を歓迎すると共に、この釈放を機に同国政府により残された政治犯が早期に釈放される事を希望するとした。
その上でタクシン元首相は、民主化への流れは国民に安定した政治・経済をもたらす世界的な流れであると指摘すると共に今回のスーチー女史の釈放が、ミャンマー国内の国内和解推進及び真の社会的公正の実現へ向けた端緒になると指摘した上で、今回のミャンマーの動きが東南アジア域内、特に国民が民主主義と社会的公正の実現を熱望しているタイ国内の人権や民主主義の状況に段階的に波及効果をもたらすことになると指摘した。
一方、この声明に対して民主党所属のアタポン・ポンラブット氏は、もしタクシン元首相がスーチー女史の政治的理想の半分だけでも持ち合わせていたなら国外に逃亡する羽目に陥ることは無かったと指摘した。
指摘のなかでアタポン氏は、タクシン元首相が人権や民主主義に対して真摯な姿勢を持ち合わせているのであれば、首相在任中にミャンマー政府に対してスーチー女史の釈放を働きかけていたはずであるにもかかわらず、実際には同国政府と手を組んで自分の息子や傘下のネットワークへの利益供与に奔走していたと指摘した上で、そのような人物はスーチー女史の釈放に乗じて自らとスーチー女史を重ねあわせるような声明を発表するべきでは無いと指摘した。
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